脳動静脈奇形

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脳動静脈奇形とは

脳動静脈奇形

脳動静脈奇形(Arterio-Venous Malfomation:AVM)は、脆弱な異常血管で構成された血管の塊(=ナイダス)が、脳の中にできる病気です。胎生早期にできる先天性異常といわれています。
この塊が大きくなったり、出血することで脳に不可逆的なダメージを起こしてしまいます。この病気の年間発見率は、10万人あたり1.1~1.4人と珍しい病気です。やや男性に多く、脳出血で発症する際は20~40歳代に多いと言われています。脳内出血を起こす危険性は年間3%前後という報告があります。

珍しい病気ではありますが、出血率は比較的高い病気であり、出血源のナイダスが脳の深部に存在する際は摘出手術も難易度の高いものとなります。症状を呈した場合、最も多いものは出血、次いでてんかんを発症することが多いです。

診断

頭部画像診断で、偶然診断されることが多く、脳神経外科領域の疾患です。

頭部MRIでナイダスが脳内にあれば、診断がつきます。T1強調画像、T2強調画像、FLAIR画像、SWI、MRAなどの撮像を行うことで診断可能です。造影剤の使用は不要です。

最終的な確定診断と重症度の判定は、大きな病院で脳神経外科の先生に脳血管造影検査をやってもらう必要があります。

脳動静脈奇形の治療

AVMを脳神経外科医により摘出することが基本となります。大きさ、部位、異常血管の流れなどにより分類し、手術方法を決定していきます。

【Spetzler-Martin grade】
(①大きさ 3㎝未満:1点 3~6㎝未満:2点 6㎝以上:3点 ②発生部位 非機能部位:0点 機能部位:1点 ③還流静脈 表在:0点 深部:1点 合計:0~5点)という分類で治療方針を決定していきます。
・1~3点は、血管内治療による塞栓物質でAVMの中身を固めたのち、外科的に開頭手術で摘出することが推奨されます。
・4~5点は、出血発症、動脈瘤合併など脳卒中リスクの高いもののみ外科的手術の適応となります。
小さい(3㎝未満)脳動静脈奇形には、放射線治療を検討することもあります。

脳血管内治療は、栄養動脈を通して塞栓物質で段階的に固めて行く治療方法です。通常は外科的に摘出する前の出血リスク低減のために行われますが、AVMが深部に存在し摘出が困難な場合は、血管内治療による塞栓術のみで治療をすることもあります。局所放射線療法と併せて行うこともあります。

MRI/MRA検査

MRI検査の中のMRA(Magnetic Resonance Angiography:磁気共鳴血管撮影法)で、診断が可能です。それ以外のMRI検査の撮像方法も加味しながら、より強く確定診断に近づけることが可能です。しかし、診断は専門的な知識と診療経験が不可欠です。脳神経外科専門医によるMRI検査が必須と考えております。

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