もうすぐ10月になろうという時期にもかかわらず、連日、残暑では片づけられない程の暑さですね。先日10月13日(日)に神奈川区の区民祭りの市民公開講座で認知症についてお話をさせていただく機会をいただきました。今回は市民公開講座でもお話しした内容を含め、認知症についてのお話です。
毎日、認知症やもの忘れに関して当クリニックには、ご本人、ご家族から多数のご相談をいただきます。
認知症の前段階として、人や物の名前が出てこない、買い物に来たけど何を買いに来たか忘れてしまったなど、自分自身で違和感を自覚し始める状態です。この時期には、金銭トラブルや帰り道が分からなくなる、他人とトラブルになるなど大きな問題に至らない程度の事態で、収まるケースが多いです。この軽度認知機能低下状態をSCI(Subjective Cognitive Impairment)→MCI(Mild Cognitive Impairment)といい、これらの状態にある一部の人たちが、15~20年間かけて少しずつ認知症を発症します。
認知症は生活習慣病(高血圧症 脂質異常症 糖尿病 喫煙習慣 大量の飲酒習慣)や運動習慣、食事習慣などが強く関与しています。このSCI、MCIといった状態で、しっかりと原因を特定し改善したり、お薬を飲むことで認知症に至るのを防いだり、遅らせたりすることができます。未知である未来を恐れる前にお医者さんに相談し、自分の状態を知って対処していくことが大切です。