寒い冬をぬけ、暖かい季節にも慣れてきた季節の変わり目のこのごろは、頭痛などの体調不良を訴える患者さんも増えてきている印象があります。頭痛を引き起こす代表的かつ最も怖い病気の一つとして、くも膜下出血があります。
4月某日、東邦大学病院(自身の出身医局)から連絡がきました。くも膜下出血の患者さんが搬送され、脳血管内治療専門医である後輩医師から動脈瘤塞栓術の指導助手をお願いできないかという依頼がありました。私としては、後輩から頼られるという点と久しぶりの急性期手術に参加するということで、胸の鼓動が高鳴りました。
上田クリニックの診療後、横浜から千葉県佐倉市に向かい、後輩医師2名と手術を行いました。破裂脳動脈瘤は、内頚動脈後交通動脈分岐部、背側向き、blebで2コブになっており、かつ奥行きがなく、broad neckな動脈瘤でした。また、脳動脈瘤手前の頭蓋内内頚動脈はアテローム硬化性変化により、高度の狭窄を呈しておりました。TAE(カテーテルによる頸動脈的塞栓術)としては、難度が高い手術でした。約2時間の手術を無事に完遂しました。2人の後輩医師は脳神経外科医として非常に頼りになる存在で、当たり前ですが成長していることを実感しました。今後も脳血管障害に携わる医師として、手術治療にも参加していこうと思っています。
くも膜下出血に対する手術
2025.04.19