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- 頭痛・片頭痛
頭痛の種類
一口に頭痛と言ってもいくつかの種類があり、「一次性頭痛」と「二次性頭痛」とに大別されます。同じ頭痛でも症状の程度には個人差が大きいため、一概に言うことはできませんが、「頭痛で困っている」という場合には、早めに医療機関に相談するとよいでしょう。
特にこれまで感じたことのない頭痛が突然生じた場合は、何らかの病気が疑われますので、すぐに脳神経外科を受診してください。
一次性頭痛
一次性頭痛は、特定の病気が確認されないまま繰り返し発生する頭痛の総称です。検査によって後述する二次性頭痛の可能性が否定された場合に、一次性頭痛と診断されます。脳の器質的な異常が原因ではないため、治療では頭痛そのものを改善させます。
一次性頭痛は、さらに片頭痛・緊張型頭痛・群発頭痛の3つに大別されます。
老若男女に起こりえる、肩こり、緊張、ストレスを誘因とする「緊張型頭痛」。若年から中年女性に多く、頭痛の前兆を自覚し、ズキンズキンと心臓の鼓動のように頭の片側に現れる「片頭痛」(前兆の自覚のない方も多くいます)。これらは慢性化しやすい特徴もあるため、慢性頭痛と診断します。
つまり、一次性頭痛≒緊張型頭痛+片頭痛≒慢性頭痛と考えます。しかし、この診断をするためには、適切な問診・診察と検査が必要になります。
また慢性頭痛の患者さんの中には、頭痛薬を飲みすぎることによって頭痛が悪化することもあります。これをMedicaton Overuse Headahche(MOH)といい、頭痛薬の飲みすぎも注意が必要です。頭痛で悩んでいる方は、まず脳神経外科に相談してみてください。
片頭痛
片頭痛は、強く脈打つような痛みが頭の片側、あるいは両側に生じます。動作によって症状が悪化したり、吐き気を伴ったりすることもあります。症状の程度には個人差がありますが、日常生活が困難になるほどの症状に見舞われることもあります。特に若年・中年女性に多くみられる頭痛です。
頭痛発作が起こる直前、あるいは発症直後に片頭痛専用のお薬を内服することで症状を緩和させます。また、近年では頭痛発作予防の目的で、ヒト化抗CGRPモノクローナル抗体製剤(抗CGRP抗体)の皮下注射を行うことで、頭痛の頻度や強度を減少させることも可能です。
発生頻度
突発的な頭痛が複数回 月4回以上の頭痛発作がある際は予防治療の良い適応となります
原因
ストレス、疲労、睡眠不足、不規則な生活、過度の肥満、気象の変化(梅雨や台風、低気圧の接近など)
※女性の場合、生理周期が関連することもあります
緊張型頭痛
緊張型頭痛は、一次性頭痛の中でも特に多い頭痛で、頭部両側の締め付けるような痛みが特徴です。首や肩の筋肉の緊張(コリ)が主な原因となり、デスクワークなど長時間同じ姿勢でいることが多い方によくみられます。また、学童期から思春期のお子さんにも好発する傾向にあります。
正しい姿勢の維持と、適度なストレッチによって首や肩のコリをほぐすことで、症状が改善することも多いです。ご高齢の方、あるいは頸椎変形を伴う方には、鎮痛剤や筋弛緩剤などの内服薬を処方することもあります。
発生頻度
ほぼ毎日持続的に
原因
ストレス、不安、首や肩のコリ
群発頭痛
群発頭痛が発生する頻度は低いですが、一度発症すると数週から数か月にわたり、毎日1~2回ほぼ同じ時間帯に数時間にわたる頭痛が続きます。片目の奥を中心とした激しい痛みが特徴で、特に男性に多くみられます。夜間、特に睡眠中に起こりやすいのも特徴です。
治療においては、高濃度の酸素吸入のほか、表面麻酔薬(リドカイン)の鼻粘膜への散布、点鼻薬(スマトリプタン)などによって頭痛を緩和させます。
発生頻度
1年に1回程度
原因
不明(目の奥にある内頚動脈という血管の拡張が関連していると考えられています)
二次性頭痛
何らかの病気が原因で頭痛が起きている場合を「二次性頭痛」と呼びます。脳の病気は適切な命に関わるほか、後遺症を残す危険性もありますので、早急の対応が必要です。以下の症状が現れた場合は、すぐにお近くの脳神経外科を受診してください。症状が重く、自力での通院が困難な場合は、ためらわずに救急車を呼んでください。
- 突然の激しい頭痛
- いつも決まった時間帯に起きる頭痛
- 徐々に頭痛の頻度が増している
- 頭痛に伴う手足の麻痺、しびれがある
- 痙攣や激しい嘔吐、高熱などの症状が伴う
- 横になると楽だが、体を起こすと10~15分以内に頭痛が増悪する
頭痛のお悩みは早めに上田クリニックへご相談ください
頭痛のお悩みは、脳神経外科に寄せられるご相談でも特に多いものの一つです。つい我慢してしまう方も少なくありませんが、中には脳の病気(二次性頭痛)の前兆として現れる頭痛もあります。そうでなくても頻繁な頭痛は生活の質を低下させますので、早めのご相談をお勧めします。