高血圧

高血圧とは?

高血圧とは?

高血圧は、日本で約4,300万人が罹患している国民病です。高血圧自体に自覚症状がないことが多い一方、脳卒中や心筋梗塞などの臓器の動脈硬化性疾患の大きな危険因子となります。
2019年高血圧診療ガイドラインでは、75歳以上の高齢者や一部の脳血管障害患者においては140/90㎜Hg未満と緩和された目標値がありましたが、2025年に公表された「高血圧管理・治療ガイドライン2025(JSH2025)」では、診察室血圧が130/80㎜Hg未満 家庭血圧は125/75㎜Hg未満と患者さんの年齢や基礎疾患などの背景にかかわらず一律化されました。
また、朝の血圧測定を生活習慣として定着させる「血圧朝活」という考え方も示されており、毎朝の血圧を測ることで、ご自身の血圧の変化を知り、生活習慣の改善や治療への意識を高めることがとても大切となります。
診察中、患者さんに「血圧の薬を始めたら一生飲むんですよね?」と聞かれることがありますが、高血圧の治療は、降圧薬を飲むことだけではありません。

適切な薬物治療に加えて、

  • 減塩
  • 適正体重の維持
  • 運動
  • 節酒
  • 禁煙
  • 十分な睡眠
  • 継続的な家庭血圧測定

など、日々の生活習慣を整えることも非常に重要です。
一方で、生活習慣を長期間続けて改善していくことは簡単ではありません。そのためJSH2025では、医師が一方的に目標値を提示するだけではなく、患者さんの生活背景や考え方を踏まえながら一緒に治療方針を考える「共同意思決定(Shared Decision Making:SDM)」も重視されています。この様に高血圧治療は単に薬を飲むだけではなく、多方面から患者さん個人個人に最適な方針を立てることが重要です
脳卒中を防ぐためにも血圧管理を
高血圧は、脳梗塞や脳出血などの脳卒中や心血管イベント、慢性腎不全などの最重要危険因子の一つです。
血圧は「病院やスポーツジムで測ったときに正常」であれば問題ないというわけではありません。ご自宅での日々の血圧を把握し、必要に応じて生活習慣の改善や治療を行い、日常生活を通して適切な血圧を維持することが脳卒中予防につながります。
上田クリニックでは、家庭血圧の記録も参考にしながら、一人ひとりの年齢・生活習慣・基礎疾患・脳卒中リスクなどの背景を考慮しながら血圧管理を行っています。
「血圧が少し高いだけだから大丈夫」と放置せず、将来の脳卒中や心血管疾患を予防するためにも、早めの血圧管理を心がけましょう。

高血圧の診断基準

血圧は収縮期血圧(最高血圧)と拡張期血圧(最低血圧)の2つの数値で表記されます。

正常血圧収縮期血圧:120mmHg未満
かつ
拡張期血圧:80mmHg未満
正常高値血圧正常高値血圧 収縮期血圧:120~129mmHg
かつ
拡張期血圧:80mmHg未満
高血圧症収縮期血圧:130~139mmHg以上
かつ・または
拡張期血圧:80~89mmHg
高血圧収縮期血圧:140mmHg以上
かつ・または
拡張期血圧:90mmHg以上

※診察室で測定した場合の数値です
※ご家庭での測定結果(家庭血圧)を参照する場合、収縮期血圧125 mmHg以上、拡張期血圧75mmHg 以上で高血圧となります

高血圧の原因

  • 加齢
  • 塩分の過剰摂取
  • 運動不足
  • 肥満
  • 心因性ストレス
  • 飲酒・喫煙習慣
  • 二次性高血圧(腎実質性高血圧・原発性アルドステロン症など)
  • 睡眠時無呼吸症候群 など

※自律神経の異常、遺伝要因が発症に影響することもあります

高血圧の合併症

高血圧状態による血管への負担は様々な疾患を誘発します。臓器への影響(高血圧性腎障害・腎不全など)や目への影響(眼底網膜病変)のほか、脳にも影響を与えることがあります。特に注意が必要なのは脳梗塞や脳出血などの脳卒中で、発症すると脳がダメージを受けて深刻な症状に見舞われることもあります。

命を落とすことや後遺症を残すこともありますので、きちんと高血圧の治療を行って、脳卒中のリスクを回避するようにしましょう。

高血圧の治療

高血圧の治療では、生活習慣の改善による血圧コントロールがメインになります。食事療法や運動療法を中心として血圧を上昇させる要因を生活から取り除くことで、徐々に血圧を正常値に戻していきます。急激な生活習慣の改変は心身に悪影響ですので、患者さんのライフスタイルを丁寧にお伺いしたうえで、お一人おひとりに合わせた無理のない治療方針をご提案いたします。

なお、合併症のリスクが高いと判断した場合には、血圧を下げる薬(降圧剤)を処方することもあります。ただし、お薬による治療はあくまでも補助的なものですので、生活習慣の改善を第一にお考えください。

重篤な脳疾患を防ぐための高血圧治療

重篤な疾患に繋がりかねない状態であるにもかかわらず、自覚症状がほとんどないために、高血圧は「サイレント・キラー」とも呼ばれています。

頸動脈や脳内の血管に狭窄のある患者さんは、大本の原因である動脈硬化の為には、血圧を下げるべきですが、過度に血圧を下げすぎると脳への血流が不足し、脳梗塞を誘発してしまう恐れもあります。
また、抗血小板薬など血液をサラサラにするお薬を内服している患者さんは、出血をしてしまうと血が止まりにくくなるため、出血予防のために厳格な血圧管理が必要です。このようにどの高血圧患者さんに対しても、単純に薬を処方するだけではいけません。単に血圧管理といってもその患者さんにあった適切な降圧治療が必要ということです。

当院では、脳卒中のリスクを踏まえたうえでの高血圧の治療を行っております。患者さんの生活に寄り添った健康管理を行いながら、生活習慣の改善やお薬の処方によって、無理なく高血圧の治療を行いますので、健康診断結果や体調に不安がある場合は、お気軽にご相談ください。

院長 上田 啓太 Keita Ueda

院長

上田 啓太Keita  Ueda

このページの執筆者

経歴

  • 2011年東邦大学医学部医学科 卒業
  • 2013年東邦大学医療センター 大森病院 脳神経外科 入局
  • 2017年東京蒲田医療センター 脳神経外科
  • 2018年東邦大学医療センター 佐倉病院 脳神経外科 助教
  • 2022年上田クリニック 副院長就任
    東邦大学医療センター 佐倉病院 脳神経外科 非常勤医師
  • 2023年上田クリニック 院長就任

資格

  • 日本脳神経外科学会 専門医・指導医
  • 日本脳卒中学会 専門医・指導医
  • 日本脳神経血管内治療学会 専門医
  • 日本脳神経外科認知症学会 認定医
  • 認知症サポート医
  • BOTOX施注医
  • 難病指定医

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