パーキンソン病

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パーキンソン病とは?

パーキンソン病とは?

人口10万人当たり100~120人と推定され、わが国では高齢化に伴い有病率は増えています。50歳代後半~60歳代の方に多く見られます。脳の中脳黒質という部分の細胞から放出される、ドパミンという神経伝達物質が低下する事により発症します。初発症状としては、手の震え(振戦)を初発症状とすることが多いです。

その後、動作がゆっくりになる症状(動作緩慢)が出現します。姿勢を保てなくなったり(姿勢反射障害)、歩き出しが難しくなる、歩き出すと止まれなくなるなどの歩行障害(すくみ足、突進様歩行)と症状が進展していきます。その他、表情が硬くなったり、小声、文字が小さくなるなどの特徴的な症状が随伴します。以下に症状をまとめましたので、参考にしてください。

パーキンソン病の症状

無動

  • 動作が緩慢になる(素早く動けない)
  • 歩幅が小さくなる
  • 声が小さくなる(小声)
  • 字が小さくなる(小字症)

安静時の手足の震え

  • じっとしている時(安静時)に手足が震える
  • 朝、目が覚めた時に震えが起こる など

姿勢反射障害

  • 体のバランスがとれない
  • 重心がぐらついた時に転倒しやすい
  • 歩行時に止まれない、方向転換できない
  • 体が傾く など

筋肉のこわばり(筋固縮)

  • 体の筋肉がこわばり、スムーズに動かせない
  • 顔がこわばる(仮面様顔貌)
  • 動作時に痛みを伴う など

精神・自律神経症状

  • 抗うつ
  • 幻覚
  • 便秘
  • 頻尿
  • 頭痛
  • 睡眠障害 など

パーキンソン病と似た病気

パーキンソン症候群

パーキンソン病とよく似た症状が現れていながら、別の病因に関連する疾患の総称です。多系統萎縮症、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症などの変性疾患が挙げられます。
その中でも最も多く遭遇するものは、薬剤性パーキンソンニズムといって、内服している薬剤の副作用が原因で発症します。パーキンソン病と似た症状が出現します。

パーキンソン病では手の震えは、動かしていない片側に出現しますが、薬剤性パーキンソンニズムでは動作時に両側に出現するという側面があります。どの薬剤にも表れる可能性はありますが、特に抗精神病薬や抗てんかん薬、頻尿治療薬、吐き気止め、血圧を下げる薬などで、起きることがあります。飲み始めのお薬があって、最近このような症状を自覚した際は、勝手に内服を自己中断せずに直ちにかかりつけ医に相談してください。

パーキンソン病の治療

パーキンソン病は進行性の疾患です。かつては「パーキンソン病になると、近い将来寝たきりになる」と言われていましたが、早い段階で治療を行うことで、生活に支障なく過ごすことも十分に可能です。また、特殊な画像検査を除いた、CT・MRI検査では、特徴的な所見を認めません。そのため患者さんの症状を的確に判断することが重要です。

パーキンソン病の治療では、内服薬を使用して症状のコントロールを行います。治療薬には様々なものがありますので、複数の薬剤の中から患者さんの健康状態や副作用などを考慮しつつ、適切なものを選択します。また、近年では薬剤の効果の低い患者さんや薬剤の効果が弱まってきている患者さんに対して、外科療法で症状を緩和させる方法があります。

定位脳手術の一つである脳深部刺激療法(DBS:Deep Brain Stimulate)という治療が、脳神経外科領域では主流となっております。これらの症状でお困りの患者さんは、当院を含めた脳神経外科にご相談ください。

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