大脳白質病変・微小脳出血

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大脳白質病変

大脳白質病変は、脳ドックなどで自覚症状のない患者さんにおいて偶発的に指摘されることの多い病変です。加齢とともにその指摘率は増加し、軽度のものであれば中年期以降でほとんどの方に発見されます。大脳白質病変の多くは、虚血性病変(脳の血の巡りが悪くなること)です。

1900年代後半~2000年代にかけて、比較的高度の大脳白質病変と脳卒中・認知症発症との関係性が明らかになってきました。高度の大脳白質病変患者さんの脳梗塞発症リスクは通常の方よりも約3倍も高いと報告されています。近年の研究では、出血性脳卒中の危険性も有意に上昇させることが分かっています。
また、脳血管性認知症の発症リスクの上昇や、アミロイドβ蛋白の沈着によるアルツハイマー型認知症との関連も指摘されるようになりました。

大脳白質病変の最大の要因としては、先に述べた加齢の次に高血圧です。またその他として、飲酒、喫煙、慢性腎臓病、メタボリックシンドローム、糖尿病、心房細動などが挙げられます。つまり、同世代の方でも、これらの生活習慣病の有無により、大きく変わってくるということです。予防には高血圧をはじめとした生活習慣病全般の管理が重要になります。

微小脳出血

無症候性脳出血などと表現されますが、書いて字のごとく脳内小さい出血を起こす病気です。MRIのT2*、SWIという特殊な撮像方法で、黒く抜ける所見を認めた際に診断が可能となります。当院で行うMRI検査においては、全例に対してこの撮像を行っています。

軽度である場合は、自覚症状はなく気づくことはできませんが、中等症から重度になると認知機能低下や脳梗塞、脳出血などの脳卒中リスクを約50倍も上昇させるという報告もあります。

高血圧性脳出血の既往のある患者さんに多く認められますが、脳卒中の既往のない高齢者においても4~10%ほど存在します。大脳白質病変に比べると脳卒中リスクが非常に高くなるため、検査で指摘される場合は、血圧管理や抗血栓薬(血液サラサラ)の使用には十分に注意を払う必要があります。

両疾患共に自覚症状に乏しいことから脳ドックや偶発的なMRI検査で、発見されることの多い所見です。これらのリスクを知ると知らないでは、未来の病気予防においては大きな差が出ます。しっかりと説明をして、対処方法を検討していきますので、安心して検査を受ける証にしてください。

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